
わが国初の女性首相が誕生し、また自民と維新が連立するようになり支持率も上がっていると報道されていますが、医療や生活の面から見ると、「なんと危険なことか」と思わざるをえません。その中の一つ、「OTC類似薬の保険外し」について書きたいと思います。
OTCとは、Over The Counterのことで。医師の処方箋がなくても、薬局で説明を受けたうえ「カウンター越しに」購入できる薬のことを言います。病院で処方される薬の中でも、OTC医薬品と同様の成分があるものを「OTC類似薬」といいます。たとえば、発熱や痛みの時に使用する「ロキソニン」や「アセトアミノフェン」、アレルギー薬である「フェキソフェナジン」(これは・・「アレグラ」と同じです)など、なんと約7000品目あります。
これらの薬を保険から外して医療費を削減しようといます。これには、多くの問題があると思います。
(1)患者の負担が大きくなること。例えばロキソニンは約6倍。フェキソフェナジンは34倍の負担となります。経済的なことの理由で治療をしない人が増加する可能性がた高くなります。
(2)「風邪ぐらいは自分で判断し、市販薬で治せ」といったセルフメディケーションが背景にあります。これでは、重症な疾患の診断を遅らせる原因となります。自分が肺炎と思って受診する人はそうはいません。軽症と思っていても重症な疾患の場合も少なくないのです。医師ですら、そうした疾患の診断できないこともあるのに、その判断を自分でしろということは無理なことです。「重症疾患は、」必ずしも、重症の顔をしていない」し。「時に軽症の顔をしている」のです。
(3)薬の安全性の問題です。一般的に使用されるロキソニンや漢方薬でも結構な率で副作用が発生します。こうした副作用を早めに発見できるかどうかは重要ですが、医療機関の受診が遅れる可能性があります。また、一部で薬の飲みすぎ(Over Dose)による障害も増加する可能性も高いでしょう。
こうした危険性があることをぜひ知っていただきたいと思います。