
前回に引き続き、全日本民医連学術運動交流集会に参加しての内容です。1日目の記念講演は、フォトジャーナリストである安田菜津紀さんでした。『紛争地、被災地に生きる人々の声~取材から見てえてきたこと~』・・迫力ある講演でした。
福島のこと、沖縄のこと・・そして、パレスチナ・ガザのこと。特に印象に残ったことは・・
1)「厄介なことを辺縁に押し付けてきた」
原発にしてもそうですよね・・都市ではなく、地方に作られてきました。そして・・お金をつかって、地元の人の分断をさせながら。
米軍基地もそうですね・・沖縄に集中し、沖縄に押し付けてきました。
2)「不条理の横を黙って通り過ぎない」
これは、沖縄で沖縄戦での遺骨を今も掘り続けている具志堅隆松さんの言葉だったと思います(正確には少し違うかもしれませんが・・)。誰に言われるでもなく、戦争で放置されている遺骨を掘り続けていて、その活動を通して・・平和の重要さを訴えている。「戦争の不条理を黙っていてはいけない」との思いなのでしょう。
3)「『天井のない監獄』ということばは嫌いです」
パレスチナ・ガザ地区のことは、「天井のない監獄」と呼ばれてきました。しかし安田さんは、この言葉のおかしさを指摘していました。監獄は、罪を起こした人が入るところであり、通常は刑期があります。ところがガザにいる人たちには、何の罪もないですし、それにいつまで続くのかわからないのです。
どれも大切なことですね。私たちにとって、当たり前の平和も、場所によっては全く当り前でないこと。世界では、そして日本の中でも、今も苦しんでいる方たちがいることをしっかり心にとめて生きていくことが大切ですね・・そうしたことを考えさせられた、とてもいい記念講演でした。